ギャザリング(おすすめアルバム他)

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前回は、ギャザリングについて主にバイオグラフィーを紹介しましたが、今回はディスコグラフィー他を紹介します。

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①ディスコグラフィーとおすすめアルバム

最近になって、ライブアルバムやコンピレーションがたくさん出回るようになり、正確には把握できてないため、オリジナル・スタジオアルバムのみ記述します。

1992年 オールウエイズ
1993年 オールモスト・ア・ダンス
1995年 マンディリオン
1997年 ナイトタイム・バーズ
1998年 ハウ・トゥ・メジャー・ア・プラネット
2000年 イフ・ゼン・エルス
2003年 ソーヴェニラス
2006年 ホーム
2009年 ザ・ウエスト・ポール
2012年 ディスクロージャー
2013年 アフターワーズ

上記の中で、必聴と言えるのは何といっても、フィーメルゴシックを世に出した歴史的な名盤であるサードのマンディリオンと4thのナイトタイム・バーズです。
どちらも、甲乙つけがたいですが、作風は微妙に異なります。
マンディリオンは呪術的で祈るような歌い方で、サウンドもヘビーで暗く、そこでのアネクは、神様に祈っている巫女、または、高台から国民に演説をする女王様のような威厳があり、一種独特な雰囲気を醸し出しています。
それに比べて、ナイトタイム・バーズはメロディアスでより普遍的で薄味です。
したがって、ゴシックメタル初心者は、ナイトタイム・バーズからはいったほうがよろしいかと思います。

②音楽的な変遷と特徴

まずファーストアルバムは典型的なベビーなギターリフにピアノが絡み、そこに、デスヴォイスが乗るという典型的な初期のゴシックメタルです。
アネク加入後は女性ヴォーカルを前面に置いたゴシックメタルとなりました。

しかし、ツインギダーの片割れであるイエルマーが脱退したことにより、ツインギターによるヘビーなサウンドが不可能となりました。
それとともに、フランク・ブーイエンのキーボードサウンドが重要性を増し、次第にサウンドメイキングの鍵を握るようになりました。
そのようなメンバーチェンジの影響で、音楽性も次第にメタル色が薄くなり、ドリップ/アンビエント指向にシフトしていきました。
アネク脱退後は、若干メタル色をとり戻していますが、基本的には5th以降の路線です。

上記のように、フィメールゴシックに珍しく、メンバーチェンジによる音楽性の変更が多いということが言えます。(誤解のないように言っておきますが、音楽性を変える為にメンバーを解雇したわけではないということです)
そのことは、このギャザリングというバンド、わりとある意味で民主的だったと思います。

最終的にはルッテン兄弟のバンドですが、アネクのヴォーカルを生かすのはもちろんのこと、フランク・ブーイエンの意見もきいていたのでしょう。
そのことが、メンバーチャンジも他のバンドと比べてどろどろしていません。
アネクの脱退についても、解雇ではなく自主的な脱退でしたし、またアネクのさよならライブもおこなわれたように友好的な脱退だと思います。

③ギャザリングが後世に与えた影響

まず考えるられるのは、女性ヴォーカルのみのゴシックメタルの原型を作り、後世のウィズイン・テンプテーションなどに影響を与えたことであるが、それよりもっと大きな意味があると思います。

1995年にアネクが加入して、名作アルバムを発表しました。
90年代中期といえば、前の記事でも書いたように、全世界的に女性中心バンドは失速・低迷し、特にHR/HMでは渇水状態でありました。

そこで、2000年以降の女性中心バンドの復権に向けてその先鞭をつけた、と言えるでしょう。
アネクの堂々とした歌いっぷり、パフォーマンスは、メタル・ヴォーカリストを目指す女性や、女性中心バンドのファンに対してどれほどの勇気や感動を与えたことでしょうか?

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